私は企業領域における使命を、こう定めています。
人と組織をWin-Winの関係に導くこと。
すなわち、会社で働く個人がイキイキと元気になり、会社全体としても発展していく状態にするための支援を担うことです。
では、その使命を現実の成果として具現化するために必要なことはなんでしょうか?
それは、「経営コンサルティング」と「キャリアコンサルティング」の統合です。
日本生産性本部の統括本部長である重野俊哉氏が、まさにそのことを指摘しています。
その言葉に深い共感を覚えたので、少し長くなりますが、以下に引用します。
これは個人的な意見ですが、経営コンサルティングもキャリアコンサルティングも、「企業とそこに所属する人に役立つ」ことが最も重要な価値の提供であろうと思います。
ですから、経営コンサルティングとキャリアコンサルティングを融合すれば、より効率的に生産性が上がるだろうと思います。
特に人材育成に関する面で、キャリアコンサルタントは、個人に寄り添って、人と組織のソフトな側面からアプローチすることができる専門家です。
その領域とマネジメント領域がどのようにつながり合っていけるのかが非常に重要なポイントになるのではないでしょうか。※出典
「JCDAジャーナル(No.82)」特定非営利法人 日本キャリア開発協会 発行
ごく一般的には、経営コンサルティングとキャリアコンサルティングは全く別物だと捉えられています。
実際のコンサルティングも、経営コンサルタントは経営の側に立って分析的に組織上の問題解決を行い、キャリアコンサルタントは人の側に立って共感的に個人のキャリア形成支援を行っているのが殆どのようです。
恐らく、それぞれのコンサルタントは、別々の役割だと思っていることでしょう。
しかし、重野氏が指摘しているように、本来はどちらも「企業とそこに所属する人に役立つ」という共通のゴールに辿り着くためのコンサルティングであるはずです。
だからこそ、「人と組織をWin-Winの関係に導くこと」を実現するためには、「経営コンサルティング」と「キャリアコンサルティング」を分離してどちらか一方だけを行うのではなく、その両方を統合的に行わなければならないのです。
しかし、それは現実には難しいことなのかも知れません。
「キャリア」と「経営・マネジメント」の両方の知見・経験と、その二つの領域を俯瞰する高い視座が必要だからです。
私は、そこに自らの存在意義があるという信念を持っています。
「MBAキャリアコンサルタント」を名乗る私は、経営大学院で「経営学修士(MBA)」の学位を取得しました。
グローバル企業グループにおいてマネジャーを務めた経験もあります。
現在は、個人事業主ではありますが、独立した事業者としてマーケティングや財務など全ての経営活動を自分で行っています。
少なくとも、経営者やマネジャーと同じ「組織を経営・マネジメントする」視点で、企業というシステムを俯瞰できると自負しています。
もちろん、そのような「経営・マネジメント」の知見・経験を持ったキャリアコンサルタントは私一人ではありませんが、まだかなり少ないのが現状だと思います。
「人と組織をWin-Winの関係に導くこと」は決して簡単なことではありません。
言葉で言うのは簡単ですが、それを具現化するのは難しく、誰にでもできることではないでしょう。
だからこそ、自らの使命として、私がやらなければならない。
もしかしたら、私が人生において培ってきた知見・経験は、「その使命を果たせ」と言う天の配剤なのかもしれない。
今はそう思えてなりません。
まだまだ自惚れの強い未熟者ではありますが、これからも使命を果たすための修行を続けていきたいと思います。