待望の新刊!「児童養護施設という私のおうち」ブックレビュー

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いつもプレイフルキャリア研究所主催のイベントやキャリア教育に協力して頂いている、児童養護施設出身モデル田中れいかさんの初の著書児童養護施設という私のおうち―知ることからはじめる子どものためのフェアスタート」が発売されました。

本の内容については、Amazonの販売ページをご覧ください。

田中れいかさんのプロフィールは、公式サイトをご覧ください。

田中さんからは、発売される前から、夢が叶って著書を出版することになったとの報告を受けていました。
私としても、いよいよ本が完成して発売されたことがとても嬉しくて、早速購入して読みました。
一読して、とても素晴らしい本だと思いました。

一言で言うと、児童養護施設や社会的養護の現状について、ニュートラルで正しい理解が得られるとても貴重な本です。

最近は残念なことに児童虐待のニュースが増えています。
それを見て、心を痛めている方も多いことでしょう。

虐待などで親と暮らせなくなった子ども達はどこへ行き、どう育っていくのか?
できることなら、そんな子ども達のために何かしてあげたい……

そんなことを思っている方には、とても役立つ本だと思います。

なぜなら、この本は主観的な視点と客観的な視点から多面的に社会的養護の現状を捉えているので、先に書いたように「ニュートラルで正しい理解」が得られるからです。

主観的な視点とは、著者である田中さんの当事者としての実体験です。
色々と辛く感じることもあったと思いますが、児童養護施設への入所の経緯から家族との関係など、率直に自己開示してくれています。

客観的な視点とは、社会的養護に関する様々な調査データや関係者へのインタビューです。
田中さんが暮らしていた施設の職員さんや世田谷区の区長など、色々な立場の方のお話が書かれています。

どちらかというと、例えば虐待を受けた当事者の方の体験談を書いた本は、感情的でネガティブな方向に偏りがちだと思います。

この本は、そうではなく全体的に明るくニュートラルなトーンで書かれています。
それは、著者の田中さんが児童養護施設には良い面もあるというポジティブな価値観を大切にしているからだと思います。

世間の多く人々は、児童養護施設で暮らす子ども達を「かわいそう」だと思っているかも知れません。

本書を読めば、それも好意的ではあっても「偏見」だということがよくわかると思います。

田中さんがこの本を出版した最大の動機は、児童養護施設で暮らす子どもたちへの偏見を無くしたいという願いです。
この本が、多くの方に読まれ、その田中さんの願いが叶うことを、私も願っています。

ところで、私の個人的な感想として一番印象に残ったのはこちらの一文です。

施設を出てから虐待を受けた実父と再会した時、田中さんはこう思ったそうです。

そのとき、私たちが施設に入った本当の理由を聞くことはできませんでしたが、19歳の私なりに感じたことがあります。
それは「お父さんを許そう」という気持ちでした。

家族との関係を修復するのは、とても難しいことだと思います。
「許す」ことができたのなら、それはお互いの幸せに繋がっていくことでしょう。

ちなみに、田中さんは著書を寄贈するために、こちらのクラウドファンディングに挑戦しています。

私も支援させて頂きましたが、より多くの方のご支援が集まることを願っています。