ソーシャル・キャリアコンサルタント 五十嵐郁一 Official Blog

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「児童虐待」と「子どもの貧困」の世代間連鎖を断ち切るために

プレイフルキャリア研究所代表の五十嵐です。

現在の日本では、「児童虐待」や「子どもの貧困」が社会的課題として注目が高まっています。

例えば、日本における「子どもの貧困率」は、国際的に比較すると、かなり高い状況になっています。

「子どもの貧困率」は、親たちの所得をもとに計算し、子どもにも個人的に親と同じ額の所得があるという仮定に基づいて算出されます。

2012年にユニセフが発表した調査結果では、日本のデータは2009年の所得を基にしていますが、18歳未満の「子どもの貧困率」は14.9%でした。
調査当時、対象となった35カ国の中で、日本はワースト9位でした。
その後、2016年に厚生労働省が発表した「子どもの貧困率」は13.9%となり、多少低下したものの依然として深刻な状況になっています。

「子どもの貧困」や「児童虐待」は、世代を超えて連鎖しやすいと言われています。
それは、主に以下の3つの悪影響によると考えられます。
1つ目は「親が親としての役割を果たせない家庭の増加」、2つ目は「子どもの自己肯定感の喪失」、3つ目は「子どもの自己効力感の喪失」です。

例えば、貧困による親のストレスが、アルコール依存症や家族への虐待を誘発することがあります。

児童養護施設に子どもが入所する理由も、親との死別や病気等ではなく、虐待や育児放棄が大多数を占めているそうです。

そのような環境で育った子どもが、心身の痛みを引きずって、自分自身が子どもを持ったときに、自分が育った家庭を再現してしまうことも現実にあります。

私が主宰するプレイフルキャリア研究所では、そのような「負の連鎖」を断ち切るための構想として、「幸せの連鎖への転換モデル」を提唱しています。

以下の図のような「自己否定」から「自己肯定」への流れが、「負の連鎖」から「幸せの連鎖」への転換のポイントになります。

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まず、自己否定に陥った子どもや若者が、自己肯定感・自己効力感を高めれば、自らの個性を活かした専門的な能力を向上させるための行動をとることが可能になり、精神的・経済的に自立できるようになります。

そうなれば、自立による自信を拠り所に他者とも協調し、社会における活躍の場を広げ、幸福な機能する家庭を築けるようになります。

そして、その機能する家庭で育った子どもは、自己肯定感を拠り所にポジティブに人生を歩んでいくことができます。

そこで虐待や貧困の「負の連鎖」が断ち切られ、社会全体が幸福な方向に発展することになります。

しかし、「自己否定」から「自己肯定」への成長は簡単ではなく、教育による「成長支援」が必要です。

「成長支援」の重要なポイントは、生きる力(精神的成長)・つながる力(社会的成長)・稼ぐ力(経済的成長)の3つです。

それぞれのキーワードの意味は以下の通りです。

・生きる力(精神的成長)

自らの生い立ちを肯定的に受容し個性として認め、自己肯定感、自己効力感を持てるようになること。

・つながる力(社会的成長)

能動的に行動するための考え方や、社会において健全な相互依存関係を築くためのソーシャル・スキルを持てるようになること。

・稼ぐ力(経済的成長)

個性を強みとして活かそうとするキャリア意識や、経済的に自立できる職業能力を持てるようになること。

私は、このような考え方に基づいた「成長支援」の具体策を、多様な方々との協力によって実行していきたいと願っています。