ソーシャル・キャリアコンサルタント 五十嵐郁一 Official Blog

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そもそも「キャリアコンサルタント」って何者?

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※画像はイメージです

はじめに

ビジネスパーソンであれば、「経営コンサルタント」という言葉を聞いて、どんな仕事をするのか、何となくイメージできる人は多いと思います。

では、「キャリアコンサルタント」はどうでしょう?
まだまだ、「経営コンサルタント」に比べると、知名度は低いと思います。

自分の未来のキャリアについて、漠然とした不安を感じて「誰か」に相談したいと思っている人は、かなり多いと思います。
そのような人たちが、もし、「キャリアコンサルタント」の知名度が低いために、「誰に」相談すれば良いかわからないとしたら、キャリアを充実させる機会を失うことになりかねません。

そこで、「キャリアコンサルタントとはどういう人か」というテーマについて書いてみます。

はじめに、まず「キャリア」という言葉の意味がハッキリわからないという方は、こちらの過去記事を参照してください。

長めの記事なので、かえってわかりにくいという方は、この記事を読むうえで、以下の2点だけ押さえておいてください。

「狭い意味のキャリア」とは、職業の履歴のようなもので、例えば就職や転職など。
「広い意味のキャリア」とは、人生そのもの。

キャリアコンサルタントって何する人?

そもそも、「キャリアコンサルタント」って何する人なんだという、ごく基本的なことですが、キャリアコンサルタントを国家資格にした厚生労働省は、ホームページにこう書いています。

「キャリアコンサルタント」とは、キャリアコンサルティングを行う専門家で、企業、需給調整機関(ハローワーク等)、教育機関、若者自立支援機関など幅広い分野で活躍しています。

つまり、キャリアコンサルタントとは、「キャリアコンサルティングをやる人」ということですね。
あまりに当たり前すぎですが・・・(笑)

では、「キャリアコンサルティング」とは何か?ということですが、良くわからないという方は、こちらの過去記事を参照してください。

先に結論めいたことを言えば、一口に「キャリアコンサルタント」といっても、やることはまさに「十人十色」です。

2016年4月に、「キャリアコンサルタント」という国家資格が誕生しました。
しかし、実際には、資格を取得していても、人によって異なる「キャリアコンサルティング的な」仕事をしているのが現状のようです。

では、一般の方が、キャリアについて誰かに相談しようと思ったときには、どうやって相談する相手を選べば良いのでしょうか?

キャリアについて誰かに相談するときの注意点

次に、キャリアについて相談する人を選ぶ時の注意点についてお話しておきます。

先に、キャリアコンサルタントは「十人十色」と言いましたが、ある程度の共通のスタイルでくくることはできます。

キャリアに関する相談を受ける人のくくり方のポイントとしては、大きく次の3つで考えると良いと思います。
一つ目は「役割」、二つ目は「収入源」、三つ目は「適した目的」です。

「役割」とは、誰に対してどんな成果を提供するのか。
「収入源」とは、誰から、役割を果たす対価として給料などの報酬をもらうのか。
「適した目的」とは、その人に相談する場合はどんな内容が適しているのか。

このようなポイントを見て、どんなタイプの人に相談するかを考えると良いでしょう。

では、それぞれのポイントでくくったスタイルには、どんなものがあるでしょうか?

キャリアについて相談を受ける人の主なスタイル

次に、キャリアコンサルティングに関わる人の代表的なスタイルを6つご紹介します。

独立キャリアコンサルタント

特定の企業や機関に雇われずに、独立して生計を立てているスタイルです。

■役割

基本的に、相談しにくる人(クライエント)の立場に立って、その人の抱える問題を共に解決することが多いと思います。

■収入源

主に相談しにくる人(クライエント)から、直接サービスの対価として、料金を払ってもらいます。
カウンセリング料、セミナー受講料、資料代など、色々なものがあります。

■適した目的

キャリアコンサルタントによって専門分野が異なる場合もありますが、「広い意味でのキャリア」に関する相談を受けてもらえる場合が多いと思います。

ただし、「独立キャリアコンサルタント」でも、業務委託契約などで、企業内にいる場合もあります。
その場合は、契約先の企業と合意した役割を遂行する立場になるので、これからご紹介するスタイルに準ずるようになります。

公的キャリアコンサルタント

ハローワークなど行政機関に所属するスタイルです。

■役割

基本的に、「狭い意味でのキャリアコンサルティング」が主な役割で、来所する人に対して、就職・転職など就業を実現するための支援をします。

■収入源

所属する機関から公務員として賃金の支払いを受けます。

■適した目的

「狭い意味でのキャリア」に関する相談や情報収集、求人案件の紹介を受けたいときには適していると思います。
非営利の行政機関にいるので、特定の企業などの利害に捉われず中立的な立場で相談を受けてもらえます。

企業内キャリアコンサルタント

主に企業の人事部に所属して、社員からの相談に対応するスタイルです。
ただし、全ての企業にいるわけではありません。
実際は、まだまだ少ないのが現状だと思います。

■役割

企業によって、かなり役割が異なりますが、社員の働くことに対する意欲を高めたり、定年後のライフプランなどの様々悩みに対応する窓口的な役割を担うケースが多いようです。

■収入源

所属する企業から賃金の支払いを受けます。

■適した目的

自分の勤め先にいる場合に限りますが、社内の事情にまつわる問題解決の取っ掛かりには適していると思います。

転職エージェント

人材紹介会社で、「コンサルタント」や「エージェント」というような肩書で仕事をする人のスタイルです。
俗に「ヘッドハンター」などと言われる人も、このスタイルに含まれます。

■役割

社員を新たに採用しようとしている企業から求人の依頼を受け、適した人材を斡旋します。

■収入源

人材紹介会社から賃金の支払いを受けます。
人材紹介会社は、求人の依頼を受けた企業から、自社が紹介した人材が採用された時に、成功報酬をもらいます。
なるべく多くの人を企業に採用してもらうことによって、売上金額を上げることを求められます。

■適した目的

転職したいという意思や、仕事に対する具体的な条件が明確になっている場合には適しているでしょう。
転職エージェントは、求人企業が「顧客(クライアント)」となるので、「広い意味でのキャリア」に関する曖昧な悩みの相談には向いていません。
どうしても、「やりたいこと」よりも「今、できること」を見て、求人案件を紹介される傾向が強くなります。

人材派遣コーディネーター

人材派遣会社で「コーディネーター」や「営業」というような肩書で仕事をする人のスタイルです。

■役割

派遣スタッフを活用したい企業や団体から求人の依頼を受け、自社で雇用した人を、派遣して就業させます。

■収入源

人材派遣会社から賃金の支払いを受けます。
人材派遣会社は、派遣スタッフの労働力の提供と就業に関する手続きを代行する対価として、「派遣料金」の支払いを受けます。

なるべく多くの派遣スタッフに就業してもらうことによって、売上金額を上げることを求められます。

■適した目的

派遣という形態で仕事をしたい場合には適しています。
しかし、転職エージェントと同様に、求人企業が「顧客(クライアント)」となるので、「広い意味でのキャリア」に関する曖昧な悩みの相談には向いていません。
やはり、「やりたいこと」よりも「今、できること」を見て、求人案件を紹介される傾向が強くなります。

学校進路アドバイザー

大学などの教育機関の「キャリアセンター」や「進路相談室」と呼ばれるような場所で、仕事をする人のスタイルです。

■役割

主に学生や生徒の相談に乗ったり、就職活動の支援や情報提供、求人案件の紹介など、所属している教育機関によって異なるケースが多いようです。

■収入源

所属している教育機関から賃金の支払いを受けます。
教育機関の収益源は、公立の場合と私立の場合では異なりますが、学費がもっとも大きなウェイトを占めるでしょう。

■適した目的

学校を卒業した後の就職や転職に関する相談や情報収集には適していると思います。
教育機関としては、入学者を増やすことも大切なので、「就職率」など入学者数のアップにつながる数字をあげようとする場合もあります。
やはり、「広い意味でのキャリア」に関する悩みに関する相談には、それほど適していないかもしれません。

上記については、あくまでも、私の個人的な経験や知見からの意見ですが、だいたいこれらのようなスタイルが一般的だと思います。

では、キャリアの問題を抱えた「あなた」にとって、最適なキャリアコンサルタントとはどんな人なのでしょうか?

あなたにとって最適なキャリアコンサルタントはどんな人か?

最後に、結局どんな人に相談すれば良いかについてお話します。

もちろん、目的によって違いますが、まず相談すべきは、「独立キャリアコンサルタントだと思います。

理由は、あなたが自分で雇うことができるキャリアコンサルタントだからです。

よく、プロ野球選手が、自分でお金を払って、球団との条件交渉をする専門家を雇うことがあります。
例えとして適切ではないかもしれませんが、そのように考えてみると、自分にとってメリットが大きいことがわかるのではないでしょうか。

基本的に、上に挙げた中で、「独立キャリアコンサルタント」以外は、無料で対応してくれます。
ただし、無料で対応してくれるのは、「あなた以外の誰か」に雇われてお金をもらっている人たちです。
「公的キャリアコンサルタント」の場合は税金で賄われますが、他のスタイルでは、「あなた以外の誰か」に託された「役割」をサービスとして提供することで、所属する企業や団体が利益を上げなければ生き残れません。

だからこそ、特に「広い意味でのキャリア」については、「独立キャリアコンサルタント」に有料で相談するのが最善だと思います。
しかし、無料で相談したい場合は、次善の策として「公的キャリアコンサルタント」を上手に活用するのも良いと思います。

おわりに

キャリアコンサルタントとは、まさに「十人十色」ですが、代表的なスタイルについてご紹介してきました。

現実には、まだまだ「キャリアコンサルティング」を受ける機会は少ないのが現状です。
また、どのスタイルの場合でも、人によって専門家としての力量の優劣には差があります。

相談相手として、「独立キャリアコンサルタント」をお勧めはしましたが、やはり、まだまだ人数としては少なく、出会う機会も限られているでしょう。

ただし、これからは、企業の終身雇用の慣行も終わりを遂げ、個人が自己責任でキャリアについて考えなければならない時代になります。

もしかしたら、企業が経営コンサルタントを雇うように、個人が「キャリアコンサルタント」を雇うことが当たり前のことになるかもしれません。

これまでに書いたことは、あくまでも私見ですが、「あなた以外の誰か」のためでなく「あなたのために」、良き人生を歩むことをサポートしてくれる「キャリアコンサルタント」に出会うための参考にして頂ければ幸いです。