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「就職活動」と「新卒求人応募活動」は違います!

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今まさに、多くの大学3年生の皆さんが、いわゆる「就活」と呼ばれる活動をやっていますね。

多分、「就職活動」という言葉を略して「就活」と言うのでしょうが、これはキャリア形成に対する思い違いの元となる言葉だと思います。

特に中高生の皆さんやその保護者の方は、思い違いをしないように、キャリアに関する言葉を正確に捉えておいた方が良いと思います。

俗にいう「就活」とは、正確な表現で言うとすれば、「新卒求人応募活動」です。
つまり、いわゆる「就活スケジュール」とは、民間企業が大学を卒業する人を対象とした求人に応募する日程ということです。

本来、「就職活動」とは、文字通りに解釈すれば「『職』業に『就』くための『活動』」と言えるでしょう。

もちろん、求人に応募するのも「『職』業に『就』くための『活動』」なので、「就職活動」のプロセスの中には含まれます。

しかし、本来の意味での「就職活動」と、「新卒求人応募活動」を混同してしまうと、キャリア形成に対して不都合な考えを持ってしまう可能性があります。

例えば、「就職活動は大学に入ってからやればいい」という感じで、キャリアについて真剣に考えることを先延ばしにしてしまう場合です。

言うまでもないと思いますが、大学選びも、本来の「就職活動」の一環ですよね?
将来どんな仕事に就きたいかによって、どんな高校や大学に進めば良いのかが決まってくるはずです。

だから、極端に言えば、「就活」は、目指す職業によっては、小学生からスタートしても決して早すぎないのです。
しかし、実際は、高校は「なんとなく普通科」に進学という人が多いのではないでしょうか。

最近では、新卒で民間企業に入った新入社員がすぐに辞めてしまうケースが多くなっています。

なぜ、そんなことになるのでしょうか?

恐らく、だいたい次の1~6のような流れだと思います。

  1. 自分が将来何がしたいのか決められない
  2. だから、学校や就職先の選び方がわからない
  3. だから、しかたなく、卒業が近づくと進路を決める
  4. だから、なんとなく、偏差値を見て入れる学校に進学したり、なんとなく、内定をもらえた会社に就職する
  5. だから、なんとなく、仕事に「やらされ感」を感じる
  6. だから、イヤなことがあるとガマンできなくなって仕事を辞める

今後撤廃されると思いますが、「大卒」を応募の条件とする「新卒者」対象の求人に応募する場合は、表向きは就職協定と呼ばれている「いわゆる『就活』スケジュール」に合わせなければなりません。
それが、冒頭に書いた、「新卒求人応募活動」です。

でも、もっと早く始められる「就職活動」は沢山あります。

自分は、どんな時にワクワクするのか?
どのくらいの年収を得られれば満足できるのか?
大切にしたいのはお金の豊かさなのか、なにか別のものなのか?
夢を実現するために、何を学べばよいのか?
これから無くなる仕事は何か、より求められる仕事は何か?

こんなことを考えるのも、大変重要な「就職活動」なのです。
そして、それは「いわゆる就活スケジュール」に関係なく、いつからでも始められます。

正直言って、大学生になってから、「自己理解」のために「適性診断」を受けるようでは遅いと思います。
既に大学に入学した時点で、ある程度、就職先の選択肢が狭まっているからです。

私は、児童養護施設で暮らす中高生向けにキャリア教育を行っていますが、次のようなことをアドバイスしています。

  • 高校、大学の3年生から職業について考え始めるのでは遅い。就職活動のスタートは早い方が良い。
  • 自分に合った目指す「生き方のパターン」によって、中学卒業後の進路選び(高校・大学など)が変わってくる。
  • 「自分を知る」ために、「世の中を知る」ために、色々なことを調べておく。
  • 自分を売り込むために必要な能力を早くから鍛えておく。
  • パソコン、文章力、コミュニケーション能力、有利な資格などを取得しておく

今年の4月に、経団連の会長がこう明言したニュースが大きな反響を呼びました。

正直言って、経済界は終身雇用なんてもう守れないと思っているんです。どうやってそういう社会のシステムを作り変えていくか、そういうことだというふうに(大学側と)お互いに理解が進んでいるので

この経団連会長のコメントに「社会システム」とありますが、これは戦後から1970年ころまで続いた高度経済成長期に最適化された世の中の仕組みのことです。
大企業が新卒者を一括して採用することを前提とした、「いわゆる『就活』スケジュール」も、その「社会システム」の一部なのです。

高度経済成長は既に終わり、日本の経済成長はほぼ横ばいになっています。
しかし、今までは、まだ高度経済成長期に最適化された「古い社会システム」が残っていました。

経済環境が変われば、当然、その変化に合わせた「新たな社会システム」が生まれてくるでしょう。

今までは、「なんとなく明確な目的は無いけどとりあえず受験科目を勉強して、大学に進学してサラリーマン・ОL」という感じでも何とかなっていたかもしれません。

しかし、もう、経済界も、「なんとなくではダメだよ」「大企業のサラリーマンでも安定は保証できないよ」と、キッパリ言う時代になりました。

普通科高校→大学進学→新卒入社→定年退職という、画一的な流れは、平成で終わりと考えた方が良いかもしれません。

令和時代に活躍が期待される中高生の皆さんは、今の大学生の先輩たちがやっている「いわゆる就活」ではなく、新たな時代を見据えて、早いうちからの「本来の就職活動」を進めた方が良いでしょう。

その親御さんや教師の皆さんも、子どもたちをミスリードしないように、令和時代が「自分が若かった頃とは全く違う時代環境」になることは知っておくべきだと思います。

そして、私のようなキャリアコンサルタントも、良き相談相手としてドンドン活用して頂きたいと思います。