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児童虐待の連鎖を止めるために、まず「知る」ことから始めてみよう

またも、子どもが親から虐待を受けて死亡してしまうという痛ましい事件が起き、大きなニュースになりました。
 
多くの人々が、親は当然のこと、児童相談所や警察に対して、非難をしています。
しかし、そのように、自分を傍観者の立場において、他者を批判しても問題の解決にはつながらないでしょう。
 
そのような人は、他者を非難するところで「思考停止」状態になってしまい、児童虐待の本質的な問題を解決するための行動を取ることはないでしょう。
 
痛ましい事件の再発を防ぐには、世間一般の人々が、自分自身も児童虐待を発生させている社会の一員であることを自覚し、「自分ごと」として考えることが必要だと思います。
 
では、児童虐待の連鎖を「自分ごと」として捉えたならば、何をすべきなのでしょうか?
 
まず、もし本当に子どもが虐待を受けることに心を痛めているのなら、自ずとこんな問いが浮かぶのではないでしょうか。
 
「そもそも、なんで、親が子どもを虐待するのか?」
 
その問いに対する答えを探すためには、当然、まず児童虐待について「知る」ことが必要になります。
 
「知る」とは、新聞やテレビの報道や、ワイドショーのコメンテーターの発言などを、ただただ受け身で鵜呑みにすることではありません。
 
やはり、本を読んで、じっくり自分で考えなければ、うわべだけの評論家で終わってしまいます。
 
そこで、児童虐待に関する理解を深めるために、3冊の本をお勧めしておきます。
 
それぞれの本の内容は、Amazonのレビューも多く書かれているので、リンク先を見て頂ければと思います。
 
■誕生日を知らない女の子 虐待−−その後の子どもたち
黒川 祥子 (著)

 

■子どもを虐待する私を誰か止めて!
長谷川 博一 (著) 

 

■母親の孤独から回復する 虐待のグループワーク実践に学ぶ
村上 靖彦 (著)

 

他にも色々と良書はあると思いますが、私が読んで強い印象を受けた本を選んでみました。
 
もちろん、ちょっと本を読んだくらいで知ったつもりになるのは却って良くないと思いますが、少なくとも見方は変わってくると思います。
 
例えば、「子どもを虐待する私を誰か止めて! 」には、自分の子どもに対する虐待を止めることができない母親達の、苦しい心情を綴った手紙やメールが載せられています。
 
ある母親は、子どもの頃に、アルコール依存症の父親から壮絶な暴力を受けていました。
そして、大人になり結婚して母親となってから、今度は自分が自分の子どもに暴力を振るうようになってしまったのです。
その心情を綴った文章の一部を引用します。
 
「私は今、とても自分が怖いです。
いつどこでキレてしまうかわからないからです。
すごく気持ちが荒んでいる気がします。
なんとか自分を落ち着かせられるときはまだいいのですが、それができないときは発作的に自殺を考えてしまいそうになります。」
 
「私は人間ではありません。
子たちの前で、何事もなかったようには振る舞えなくて、取り乱してしまいました。
昔見た映画で、親が自分の子ども殺してしまう『鬼畜』というのがありました。
私は鬼畜なのかもしれません。
私が死んだほうがいいのかもしれない。」
 
一口に児童虐待といっても、色々なケースがあります。
また、現実に起きた事実に対する捉え方も、人それぞれの経験や立場によって変わってくることでしょう。
 
単に「知る」と言っても、それすらもなかなか難しいことなのかも知れません。
 
しかし、今まで以上に積極的に知ろうとする姿勢を持つだけでも、多少は世の中に良い変化を促すことに繋がっていくと思います。