ソーシャル・キャリアコンサルタント 五十嵐郁一 Official Blog

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魔女のキャリアカウンセリング

 

就活中の学生の方はもちろん、既に働いている方々も、将来のキャリアについて考える時には、色々と悩む事も多いでしょう。

 

「キャリア」について考える時に、わたしにとって共感できる言葉がいくつかあります。

 

その中の一つが、「西の魔女が死んだ」(梨木 香歩 著)という小説の中に出てくるこの言葉です。

 

「自分が楽に生きられる場所を求めたからといって、後ろめたく思う必要はありませんよ。サボテンは水の中に生える必要はないし、蓮の花は空中では咲かない。シロクマがハワイより北極で生きるほうを選んだからと言って、誰がシロクマを責めますか」(P162)

 

ストーリー等は冒頭のアマゾンへのリンクを参照して頂くとして・・・。

 

この言葉は、不登校になった少女におばあちゃん(西の魔女)が語りかけた言葉です。

 

どの会社に入れば安定した生活が送れるのか?
社内のどのポジションへ行けば出世が早いのか?
このままでいるか、転職すべきか・・・?
スキルアップしないと取り残されるんじゃないか?

 

色々と考える事はあるかも知れません。

 

でも、結局一番大事なのは、自分が、サボテンなのか蓮の花なのかシロクマなのかを、しっかり見つめる事なんだと思うんです。

 

現代は、ものすごく変化のスピードが速くなっているので、会社や職業の条件も刻々と変わって行きます。
でも、自分の深い部分はそれほど大きく変わるものではないでしょう。

 

だから、自分がシロクマだと分かったら、難しく考えずに、北極に行けば良い。
そして、北極に行ったら、肩の力を抜いて、素直に、自分の心の声に従って生きれば良い。

 

そうすれば、無理に頑張りすぎなくても自ずと成長して行けるでしょう。

 

でも、そもそも、なんで成長しなきゃいけないんでしょう?

 

西の魔女は、こんな風に答えてくれます。

 

「本当にそうですね。でも、それが魂の本質なんですから仕方がないのです。春になったら種から芽が出るように、それが光に向かって伸びていくように、魂は成長したがっているのです」(P119)

 

アメリカ心理学会が実施した、「最も影響力のあるサイコセラピストを三名あげよ(故人も含む)」という調査で第一位に選ばれた、カール・ロジャースも、西の魔女の答えと同じようなことを「実現傾向」と呼んでいました。

 

カール・ロジャースの言葉ではこうなります。

 

「内的な刺激があろうとなかろうと、環境が好ましかろうと好ましくなかろうと、有機体の行動は自らを維持し強化し再生産する方向に向かっています。これが、私たちが『いのち』と呼んでいるプロセスの本質です」

※出典
諸富祥彦著「カールロジャース入門自分が〝自分〟になるということ」P164

 

つまり、私達の中には、自分を知る力や、成長する力がもともと備わっているということです。

 

でも、先々の事を考え過ぎたり、周りの声を聞き過ぎたりすると、私たちの中に元々備わっている力が弱ってしまいます。
キャリアカウンセリングでは、周りのノイズを取り払いながら、自分自身の核のようなものを見出すプロセスを辿ります。

 

キャリアについて悩んだ時には、遠回りに感じられるかも知れませんが、ゆっくりと立ち止まって、静かに自分自身の魂の声に耳を傾ける時間や場をつくることが大切なんだと思います。