ソーシャル・キャリアコンサルタント 五十嵐郁一 Official Blog

社会起業家×キャリアコンサルタント=ソーシャル・キャリアコンサルタント → より幸せな社会の実現を目指して

「ソーシャル・キャリアコンサルタント」としての働き方のスタイルとは何か?

私は、自らの「働き方」のスタイルを、「ソーシャル・キャリアコンサルタント」と名付けています。
「働き方のスタイル」とは、「生計を立てるための手段」や「所属組織との関わり」ということではなく、仕事をする上での、根源的な自らの「在り方」を指しています。
 
では、「ソーシャル・キャリアコンサルタント」という働き方のスタイルとは何か?
私は、このように考えています。

 

「キャリアコンサルティングの知見・手法を活かし、人が秘めている潜在的な力の開花を起点に、より良き組織・社会への変革を目指し、社会的課題の解決に貢献する。」
 
この働き方のスタイルを別の切り口で見れば、以下の掛け合わせになります。
 
社会起業家×キャリアコンサルタント=ソーシャル・キャリアコンサルタント
 
つまり、「ソーシャル・キャリアコンサルタント」とは、「社会起業家のスタイル」と、「キャリアコンサルタントのスタイル」の双方を実践することによって、社会的課題の解決に貢献する働き方のスタイルなのです。
 
では、「社会起業家のスタイル」とは何か?
 
私が考える「社会起業家」とは、福祉や環境などの社会サービス分野で起業するような人を指す言葉ではありません。
これからの時代の「社会起業家のスタイル」とは、次のように捉えられるべきでしょう。
 
「社会貢献」や「社会変革」の志を持ち、「現在の事業の革新」や「新しい事業の創造」を通じて、「良き社会」を実現しようと考え、働くこと。

 

これは、「社会起業家フォーラム」を設立し多くの社会起業家を育成してきた多摩大学大学院の田坂広志教授が、その著書「これから働き方はどう変わるのか」に書いている「社会起業家のスタイル」の定義です。

これからの時代は、企業においても社会性が求められ、営利組織と非営利組織の境界が無くなる方向に進んでいきます。

たとえ新たにNPO法人を立ち上げるなど特別なことをしなくても、企業などの営利組織の中で、社会貢献の志を持ちながら目の前の仕事に取り組むならば、誰でもが社会起業家なのです。
 
田坂広志教授は、同書の中でこう書いています。
 
社会起業家にとって最も大切なことは、
「どれほど大きな事業の革新を行ったか」や
「どれほど大きな事業の創造を行ったか」ではありません。
最も大切なことは、現在の自分の置かれている環境や制約のなかで、たとえ小さな一歩でも良いから、事業の革新や創造に取り組むということです。
その革新や創造に取り組む事業は、決して、最初から「大きな事業」である必要はありません。
ときに、それは、我々が日々取り組んでいる仕事の「小さな革新」でも良いのです。
 
私は、多摩大学大学院のMBA課程において、田坂先生の講義と論文指導を受け真剣勝負を重ねながら、そのような「たとえ1ミリでも目の前の現実を動かす」ことに打ち込む社会起業家のスタイルを学びました。
 
それが、私の「ソーシャル・キャリアコンサルタント」としてのスタイルの拠り所となっています。
 
では、「キャリアコンサルタントのスタイル」とは何か?
 
まず、よく使われる言葉ではありますが、そもそも「キャリア」とは何でしょうか?
 
もちろん、人によって様々な考え方はあるのですが、キャリア発達理論において最も認知されているのは、心理学者ドナルド・E・スーパーが提唱した以下の定義です。
  • 人生を構成とする一連の出来事
  • 自己発達の全体の中で、労働への個人の関与として表現される職業と、人生のほかの役割との連鎖
  • 青年期から引退期にいたる、報酬無報酬の一連の地位
  • それには学生、雇用者、年金生活者などの役割や、副業、家族、市民の役割も含まれる
「キャリア」とは、決して職業や地位だけを指すのではなく、まさに、人生そのものという事でしょう。
 
一般的に「キャリアコンサルタント」というと、学生の進路選択や就職活動、社会人の転職などに関する支援をする人というイメージを持つ人が多いと思います。
また、自分自身の「市場価値」を高めること、すなわち「キャリアアップ」を目指し、他のビジネスパーソンとの競争に勝つことを働くことのゴールだと思っている人もいるようです。
 
しかし、これからの時代の「キャリア」とは、そのような狭い意味に囚われるのではなく、スーパーが定義しているように、幅広く本質的な意味付けをすべきだと思います。
 
ミネソタ大学名誉教授L・サニー・ハンセンは、新たな時代のキャリアに対する考え方について、こう言っています。
 
環境問題や人権、多元的な文化、暴力など、各国が直面している問題は、キャリアプランニングにも新しい基本的な考え方を求めています。
今後は、自分の満足や生計のための個人的な職業選択だけに焦点を当てるのではなく、意味ある人生のため、つまり自分にも社会にも役立つ仕事をするために、一生に何度も選択をしていくということが重視されるようになるでしょう。
 
古来より日本においては、「働く」という言葉に、「傍(はた)を楽(らく)にする」、つまり「周りの人々を楽にする」という意味が込められていました。
アメリカの先端的なキャリア理論家であるハンセン教授も、全くそれと同じことを言っているのです。
 
私は、以上のような考え方を踏まえて、「キャリアコンサルタントのスタイル」を、以下のように捉えています。
 
はたらく人々が、より良き人生を生きるための支援を行うこと。

社会は「人」の集まりです。
その社会を構成する一人ひとりのかけがえの無い人生がより良きものになれば、より良き社会への変革も促されるでしょう。
 
つまり、「良き人生を生きるための方策」であるキャリアコンサルティングの専門的知見・手法を駆使して、「良き社会」を実現しようと考え、働くことが、「ソーシャル・キャリアコンサルタント」の働き方のスタイルなのです。