ソーシャル・キャリアコンサルタント 五十嵐郁一 Official Blog

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「新規事業」と「恋」に共通する成功のポイントとは?

スタートアップの起業家も、大企業の新規事業リーダーも、とても有能で輝かしい経歴の方が多いようです。
しかし、そのような方々が、必ずしも新規事業や新商品開発を成功させるとは限りません。

では、なぜ失敗してしまうのでしょうか?
もちろん様々な要因がありますが、一言で言えば、こうなるでしょう。

「恋は盲目」

つまり、当初に思いついたアイディアに「恋」してしまい、明確な根拠の無い自信を持って、きちんとした検証もしないまま一足飛びに事業化してしまうというケースが多いのです。
「恋」したアイディアや事業テーマが、相手(顧客)のことをよく見ないで、自分の頭の中の思い込みで形成されてしまった場合は、いくら有能な方がもっともらしい事業計画書を作成しても、現実の世界で成功する事はありません。

では、的確なアイディアや事業テーマを設定するためにはどうすれば良いでしょうか?

イノベーションの研究における世界的な権威である、クレイトン・クリステンセン氏は、著書「イノベーションへの解」の中でこう書いています。


「顧客が製品を購入する状況を構成するのは、顧客が片付けなければならない用事の機能的、感情的、社会的な側面である」
「製品のターゲットを顧客そのものでなく、顧客がおかれている状況に絞る企業が、狙い通り成功する製品を導入できる企業である。別の言い方をすれば、かぎとなる分析単位は、顧客ではなく状況なのだ」

つまり、ビジネスの対象となる顧客が生活している場面を想定して、現実に役に立つ製品やサービスの創出を事業のテーマとすべきなのです。

最近では、水泳用品メーカーのフットマークが、スクール水着を中学生4人と共同開発したことがマスコミに取り上げられ話題となりました。
以下のサイトを参照してください。

朝日新聞デジタルスクール水着、中学生と開発『肌の露出イヤ』の声反映」

フットマーク社は、顧客となる中学生とともに、何度も試作を繰り返しています。
その結果、中学生達が、「水着に着替える」「水泳の授業を受ける」という「状況」において、何を問題としているか(用事)を的確に捉えた商品開発に成功しています。

では、100%は無理としても、的確なテーマを設定し現実のビジネスとして成功させる確率を高める方法はあるのでしょうか?

新事業コンサルタント多摩大学大学院客員教授の本荘修二先生は、「ビジネス機会の特定(Opportunity Recognition)」という活動を推奨しています。

「ビジネス機会の特定(OR)」とは、以下のような活動を指します。

「事業機会の種(アイディアや技術)を発見・創造するところからビジネス・コンセプトを形作り、前に進めるかの評価・判断をするところまでの活動」
詳しくは、以下のサイトを参照してください。

■ダイヤモンド・オンライン
しっかりしろ日本の大企業よ!間違いだらけの新事業開発【テーマ編】

盲目的な恋、相手を思いやらない独りよがりの恋は、一歩間違えばストーカーになって悲劇を起こしてしまいます。
しかし、「相手にとっての本当の幸せとは何か?」を真剣に考えて行動すれば、恋が実る可能性は高まるかもしれません。

「ビジネス機会の特定(OR)」という考え方を知るだけでも、思いついた事業の種から一足飛びに事業化して失敗するリスクは低減するはずです。
冷静に、有効なツールを使って、市場との適合性をしっかり検証し、ビジネスモデルを構築していけば、新たな事業や製品・サービスの創出が成功する可能性がより高まる事でしょう。