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はじめて「リーダーを育てる立場」になった方に贈る5冊の本

企業経営において、次世代を担うリーダーの育成や管理職のマネジメント力向上は、不動の重要課題と言われています。

 

今回は、はじめて「リーダーを育成する立場」になった方向けに、まず読んでおくべき本を5冊紹介しておきます。
これからリーダーの育成について考え始めるという場合は、上から順番に読んでいくと理解しやすいと思います。

 

◆リーダーシップの本質(What,Why)を理解するための2冊

・「リーダーシップ入門」

 

 

日本のリーダーシップ研究における第一人者である、神戸大学大学院経営学研究科の金井 壽宏教授が、リーダーシップに関する「理論と実践」について、とても解りやすく体系的にまとめている本です。

 

著者の金井先生は、本書について「理論と実践が出会う場」と書いています。
理論については、リーダーシップのそもそもの定義から始まり、定評ある代表的な学者による先行研究のポイントを簡潔に網羅して紹介しています。

また、ペプシコのリーダー育成の事例や、有名な経営者のリーダーシップに関する持論についても解説しています。

 

そのため、本書を読むと、偏り無くリーダーシップに関する全体像を俯瞰する事が出来るようになります。

書名には「入門」とありますが、「そもそもリーダーシップとは何なのか?」という問いに対して、自分の言葉で語れるようになるためには、最適の本だと思います。

 

・「リーダーシップ・チャレンジ」

 

 

「リーダーシップ・チャレンジ」について、監訳者の金井壽宏教授はこう書いています。

「もしも、英語がわかる人で10年以上リーダーシップの研究や研修に携わっていながらこの本を知らない人がいたら、その人は『もぐり』だ」

 

本書は、1987年に第1版が刊行されてから、20年以上にわたって改訂が重ねられ、世界中で翻訳されている、定評あるリーダーシップのテキストのグローバルスタンダードと言える本です。

日本では、2007年に刊行された第4版の翻訳が、ようやく2010年に発売されましたが、現在は品切れのようです。
アメリカでは、昨年に第5版が刊行されています。出版元の海の月社さんによると、もうすぐ日本でも第5版の翻訳が出るようです。

 

本書は、どちらかと言えば、自分自身のリーダーシップを高めるための本ですが、リーダーとして成すべき具体的な行動が、世界的に実施された調査・研究の結果を根拠として書かれています。

 

自組織でリーダーを育成する上で、リーダーとしてのあるべき姿を描くためにも役立つ本です。

 

◆リーダーを育てるための方法(How)を理解するための3冊

・「リーダーを育てる会社 つぶす会社〜人材育成の方程式」

 

 

日本語の書名は、なんとなく通俗的な感じがしますが、原書のタイトルは「The Leadership Pipeline」です。

 

GEでリーダーシップ開発に携わった著者が、多くの米国企業で導入されている「リーダーシップ・パイプライン・モデル」という、リーダー育成の手法を解説した本です。

 

本書では、一般社員から係長レベルへの第1の転換点から、事業統括役員から経営責任者(CEOクラス)レベルへの第6の転換点まで、企業の階層ごとにリーダーとしての成長を促すためのポイントを明らかにしています。

 

基本的にはグローバルに事業を展開する大企業を想定したモデルですが、著者は、中小企業や単一事業の組織にも適用できると言っています。

 

・「ハイ・フライヤー〜次世代リーダーの育成法

 

 

リーダー育成については、いわゆる「研修」よりも、実務経験と、その経験を意味付ける内省や継続的なコーチングが有効であるということが常識になっています。

 

では、リーダーとしての成長を促すには、どのような経験を、どのように積んでいけばよいのでしょうか?
「ハイ・フライヤー」はその問いに対する有益なヒントを得られる本です。

 

アメリカの有名なリーダーシップ研究機関であるCCL(Center for Creative Leadership)の中心人物である、南カリフォルニア大学モーガン・マッコール教授の著作です。

実証的な研究の成果を背景として、経営戦略とラインマネジャーによるOJTを統合的に見据えた上で、系統立てて経験を積ませていくリーダー育成を提唱しています。

 

・「リーダーシップ開発の基本~効果的なリーダー育成プログラムを作る~(ASTDグローバルベーシックシリーズ)」

 

 

米国に本拠をおく世界最大の人材開発の機関であるASTD(American Society for Training and Development)が刊行している、ASTD Training Basicsシリーズの中の1冊で、日本では今年翻訳されたばかりです。

 

先に紹介した本はリーダー育成の手法に関する概念的な解説が中心になっていますが、「リーダーシップ開発の基本」は、その概念を具体的なプログラム開発に落とし込んで実行するためのガイドブックです。

 

まさに、「戦略的リーダー育成プログラム開発の定石」が体系的に学べる本になっています。
やはり、もともとアメリカで刊行された本なので、日本企業とは異なる部分もありますが、定石としてグローバルスタンダードを学んだ上で、自組織に合ったやり方を考えていけば良いでしょう。

 

他のASTD Training Basicsシリーズの本と同様に、リーダーシップ開発プログラムを設計するためのニーズ調査や対象者ごとの個人別開発計画のフォーマットなどの具体的なサンプルも載っているので、実務に活かせるヒントが得られるでしょう。

 

以上、リーダーシップをテーマにした本は他にも良い本が数多く出ていますが、独断で5冊選んでみました。少しでも参考になれば幸いです。