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2011年9月

人はどんな時に自ら動きたくなるのか?


「社員が、やらされ感を持ちながらでなく、自ら考えて行動するようになって欲しい・・・」

ほとんどの会社の管理職や人事の方が、このような気持ちを持っていると思います。


では、どうすれば社員が自ら動くようになるのか?


この問いかけに答えてくれる本が、「人を伸ばす力〜内発と自律のすすめ」です。(本に関する詳細は記事中のリンクを参照して下さい)


「内発的動機付け」という言葉がこの本の主題ですが、これは外部から働きかけられて出てくるのもではなく、自分自身の内部からわきあがってくるモチベーションの事です。


言葉自体は知っている方がほとんどだと思いますが、その心理的な仕組みや、科学的根拠を理解している方は少ないようです。


もし、「社員に自ら動いて欲しい」と願うのであれば、そのための「内発的動機付け」について、せめて知識レベルで熟知しておく事は必要だと思います。


こんな風に書いていると、「小難しい本で実務的には役に立たないのでは?」と思われるかも知れませんが、一般向けなので内容はかなりわかりやすいです。

以下に、簡単に書かれている内容のごく一部をまとめておきます。

続きを読む "人はどんな時に自ら動きたくなるのか?" »

人材育成の拠り所となるもの


職場のメンバーのモチベーションアップや能力向上など、人を育てる上での課題は尽きません。
私たちは、その課題に対して打ち手を考え解決していかなければなりませんが、その拠り所として重視すべきものはなんでしょうか?


それは、実証的な「理論」や「定石」です。


日本各地のホテルや旅館を運営し高い業績を上げている星野リゾート社長の星野佳路氏は、「星野リゾートの経営は『教科書通り』である」と言い切っています。


「星野リゾートの教科書」という本の中で、星野社長は次のように言っています。


「私は1991年に星野リゾートの社長に就任して以来、経営学の専門家が書いた『教科書』に学び、その通りに経営してきた。社員のモチベーションアップも、サービスの改善も、旅館やホテルのコンセプトメイクも、私が経営者として実践してきたことはすべて教科書で学んだ理論に基づいている」


例えば、バブル崩壊後に経営が破綻した北海道のスキーリゾート・トマムの運営を、星野リゾートが引き継ぎ立て直した時には、フィリップ・コトラーの名著「コトラーのマーケティング・マネジメント基本編」に書かれている競争地位別戦略を土台にしました。


では、なぜ星野社長は「教科書通りの経営」を実践し続けているのでしょうか?


星野社長はこう言っています。


「私が参考にする教科書の多くは、米国のビジネススクールで教える教授陣が書いたものだ。彼らは、ビジネスを科学するという思想の下、数多くの企業を対象に手間と時間をかけて事例を調査し、そこから法則を見つけ出し、理論として体系化している。その内容は学問的に証明され、一定条件のもとでの正しさはお墨付きなのだ」


確かに、経営学やマネジメント、リーダーシップ等に関する分野の研究については、実際の企業の事例を分析したり、企業の中で仮説を実行に移して結果を検証したり、実証的に行われています。


そのような研究から導かれた理論は、決して机上だけのものではなく現実に活用できるものと言えるでしょう。


人事部の視点でも、現場の視点でも、人材育成は経営において重要な要素です。


企業内の人材育成についても、経営学や心理学など分野から様々な実証的な理論が提唱されています。


もちろん、人を育てる立場の方が、個人として培ってきた「経験」もとても大切なものだと思います。


しかし、個人で経験できる範囲は限られています。
個人的な経験則に加えて、多くの先人の知恵や経験や研究が濃縮された体系的な「理論」があれば、人材育成においても、より正しい判断ができるようになります。


星野社長は、教科書に従うメリットについて次のように言っています。


「経営判断の根拠や基準となる理論があれば、行動のぶれも少なくなる。自分の下した決断に自信を持てるようになり、社員に対して判断の理由を明快に説明できる」


私も、研修プログラムを企画したり講師として人前に立つ際に、恐れを感じるときがあります。

なぜなら、自分の誤りが、多くの人々の誤りに繋がってしまうからです。


だからこそ、星野社長の言葉に深い共感を覚えるのです。


「自分が人に伝えようとしていることは本当に正しいのか?」


そのような不安も「教科書」と向き合うことでかなり解消でき、自信を持つことが出来ます。


また、最近の若いビジネスパーソンは、仕事をする上で、意味や理由をもとめる傾向があります。

部下に対する教育や指導においても、上司が根拠となる理論を持っていれば、部下の「なぜ?」に明快な答えを提示できます。


星野社長も次のように言っています。


「もちろん、社員にも教科書の内容を説明していく。新しい戦略の理論的な背景を伝えることで、仕事の中身ややり方に対する社員の納得感は高まり、改革が進みやすくなる」


このように「教科書」で理論や定石を学ぶことはとても大切ですが、もちろんそれだけでは課題を解決することはできません。


やはり、「理論」に加えて、「理論を自分の状況に応用する力」が欠かせません。


よく「理論は抽象的で、『現場』では使えない」というような言い方をする方もいます。


しかし、それは理論が現場に通用しないのではなく、「理論を現場に応用する力」、言い換えれば「考える力」が不足しているということなのです。


星野社長は、「教科書」を考えながら何度も読み込んでいます。


「書かれている理論を理解すると同時に、『自社にどのようにあてはめればいいのか?』『どこを変える必要があるのか』と考えながら読む。自社の具体的な悩みを考えながら読んでいると、頭の中が次第に整理されていき、やがて打つべき対策が見えてくる」


私は、人材育成に「教科書」を活かす公式を以下のように考えています。


「教科書」+「問題意識」+「応用力」=打ち手


つまり、強い「問題意識」を持って「教科書」と向き合い自分の現場に「応用」すれば、適切な打ち手が見えてくるのです。


打ち手が見えてくれば、後はそれを実行していけば良いのです。


もちろん、すんなりと事が進まない場合もありますが、その時にはまた立ち止まって考えれば良いでしょう。

やはり、「理論を現場に応用する」ための答えがなかなか出てこない場合も多いと思います。


でも、それを諦めずに考え抜くことを続けることによって、「理論を現場に応用する力」に磨きがかかっていくのです。


実際に、星野リゾートが教科書を活かして様々な旅館やホテルの経営を立て直してきた事例については、「星野リゾートの教科書」に数多く紹介されていますので、興味のある方は読んで頂ければと思います。


では、「人を育てる」というテーマでは、どのような「教科書」を選べば良いのか?


それは、これからこのブログの「ブックコラム」でご紹介していきたいと思いますhappy01
ぜひ、気が向いた時にアクセスしてみて下さいconfident

自らの成長を願うビジネスパーソンの方へ

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このブログは主に企業内の人材育成がテーマになっていますが、それでけではなく「個人としての成長」もテーマにしていきます。

様々な会社の中ではたらきながら「自分を成長させたい」と願っている方にとって、少しでもヒントになるものをお伝えできればと思っています。

カールロジャースという有名なカウンセラーは、人には元々自ら成長しようとする力を持っていると言っています。

しかし、成長したいと願っていながらも、未来に漠然とした不安を抱えてしまい、どうしたらいいかわからずに悩む方も多いようです。

その「どうしたらいいか?」の答えは、実はその人の中に眠っているだけで、ちょっとしたきっかけさえあれば、ポジティブな方向に自然と伸びていくものです。

このブログが、その「ちょっとしたきっかけ」作りのささやかな一歩になれば幸いに思います。

私自身も、いまだに迷いながら成長を模索する一人のビジネスパーソンです。
ともにプロフェッショナルを目指す仲間として、お付き合い頂ければ嬉しく思います。

時には、キャリアや成長とは無関係な雑多な話題も出ると思いますが、気軽にアクセスして頂ければ幸いです。

「Human Resource Innovation」とは何か?

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このブログのタイトルにしている、「Human Resource Innovation」という言葉についての考え方をお話ししておきます。
正確な言葉の定義は端に置いた、あくまでもこのブログにおける私自身の考え方です。


Human Resource Innovationとは?
 →個人にとって
  〜人が自立した存在として、自分自身の中に新しい付加価値を創造していく事
 →組織にとって
  〜組織を構成する人々の潜在的な創造性を解放して、価値ある変革をもたらす事


これが、私にとっての「Human Resource Innovation」の定義になります。

今まで私は自分なりにカウンセリング心理学等を学んできましたが、そうした中で、次のような考えを持つようになりました。


「個人も組織も、新しい価値を創造する力を元々持っている。でも、その反面、人は過去の経験にとらわれたり、特定の考え方の枠組みに縛られたりしてしまいがちである。そして、それが創造する力を阻んでしまっている」


最近の脳科学や心理学の知見からも、そのようなことが言えます。

人には、新しい価値を生み出す力が欠けていたり不足しているのではなくて、ただ単にブレーキがあるだけなのです。

逆に、そのブレーキを外せば、人も組織もより創造的になりアイディアも生まれ、それを実現する意欲もわき上がってくるはずなのです。

カウンセリングやコーチングにおいても、そのような同じ様な事を感じる場面があります。

今の自分に対し行き詰まりを感じている様な時に、カウンセリングやコーチングを受けたりすると、自分が自分にかけていたブレーキに気付いたという人は意外に多いものです。


そして、そのブレーキと向き合う事で、新しい自分を「創造」し人としてさらなる成長を遂げる事が出来ます。

それは、例えばビジネスパーソンにとっては、新しいキャリアへのステップアップに繋がる事になるでしょう。

そして、それは、単に個人の変容を超えて、組織全体の活性化にも繋がっていくはずです。


私は、新しい自分を創造することを「セルフ・イノベーション」と呼んでいます。

その「セルフ・イノベーション」を起こすためには、ただブレーキを外して、「見えない未来へ踏み出すアクセル」をちょっと踏み込む勇気だけあればいい。

色々な囚われから自由になって「セルフ・イノベーション」を起こし、成長した自分の力を使って、身近な人や世の中に少しでも貢献できたら、自分も周りもより幸せなんじゃないかと思います。

そして、その力は誰でも発揮できる可能性を持っている。

そんな想いを、「Human Resource Innovation」という言葉に込め、このブログのタイトルとして掲げています。

「産業カウンセラー」って何する人?

ブログタイトルに「産業カウンセラーの人材育成blog」などと書いてありますが、「そもそも産業カウンセラーって一体なんなの?」と思った方もいらっしる事でしょう。
ここで、ざっと説明しておきます。

「産業カウンセラー」とは、社団法人日本産業カウンセラー協会が認定する資格です。
1991年に厚生労働省の技能審査として認定されましたが、2001年に当時の行政改革で技能審査が廃止になった為、現在は民間資格という事になっています。

産業カウンセラーの使命を一言で言うと、次の様になります。

「心理学的手法を用いて、働く人たちが抱える問題を、自らの力で解決できるように援助する」


心理学的な手法とは、主にカウンセリングという事になりますが、一対一のカウンセリングだけではなく、グループワークや、教育的手法も含まれます。

ポイントは、「自らの力で解決できるように援助」という部分でしょう。

カウンセリングには本当に多くの理論がありますが、どれにも共通しているのが、「答えはクライエントの中にある」という考え方です。
(クライエントとはカウンセリングを受ける人という意味です)

また、主な活動領域としては以下の三つになります。

続きを読む "「産業カウンセラー」って何する人?" »

プロフィール

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◆氏名

五十嵐 郁一(イガラシ ユウイチ)

◆性別

男性

◆仕事

企業内人材育成プログラムのプロデュース
(プログラム全体設計、教材開発、プログラム運営、集合研修講師等)

◆資格

社団法人日本産業カウンセラー協会認定
産業カウンセラー

◆所属学会

産業・組織心理学会 会員

 

企業のリーダー・管理職・教育担当者の方へ

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(c) シャンタオ写真素材 PIXTA

このブログでは、企業における人材育成が主なテーマになっています。

企業の人事部などで人材育成をミッションとする方や、現場で部下やチームのメンバーを育成するマネジャー・リーダーの方にとって、わずかでも何か役に立つものがあればと願っています。

守秘義務に関わる具体的な事例は出せませんが、人材育成プログラムの企画の実務経験や、産業カウンセラーとしてカウンセリング心理学等の知見などを活かしながら、何らかのヒントをお伝えしたいと思っています。

しかし、私自身も、人材育成の課題を一挙に解決する魔法の杖など持っていません。

また、そんな「魔法の杖」などどこにもないのだと悟る事から、泥臭い人材育成への取り組みが始まるのだと思っています。

皆様と共に日々悩み苦闘しながら、人材育成の課題に取り組む「同志」として、お付き合い頂ければ嬉しく思います。

人材育成とは無関係な雑多な話題も出るかも知れませんが、気が向いた時にでもアクセスして頂ければ幸いです。

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